製造現場で、高い洗浄精度と作業効率を両立する設備が、炭化水素系洗浄機です。炭化水素系洗浄機についての独自技術を保有し、信頼性の高い製品を提供していることは、導入にあたって大きな選定ポイントとなるでしょう。この記事では、炭化水素系洗浄機で高い実績と評価を得ている洗浄機メーカーをくわしく紹介します。
CONTENTS
炭化水素系洗浄機メーカーの選び方
炭化水素系洗浄機は、メーカーによって性能や仕様が大きく異なります。まずは使用用途を明確にしたうえで、洗浄力やランニングコストを比較しましょう。使用用途
炭化水素系洗浄機で使われる洗浄剤は、SP値が金属加工油やフラックス類に近く、金属洗浄に適しています。部品の腐食や変色が起こりにくいため、プレス部品をはじめとした幅広い金属製品に使用されています。また、洗浄剤の種類によっては、金属加工油の脱脂だけでなく、ハンダフラックスや動植物油の除去、さらには研磨によって発生した微粒子の除去にも対応可能です。これまで塩素系溶剤や臭素系溶剤で洗浄していた部品であれば、炭化水素系洗浄機でも同様に対応できるケースがほとんどです。
一方で、ゴムや樹脂への使用は影響が出る可能性があるため、事前の確認が必要です。
洗浄力
洗浄力を比較する際は、洗浄剤だけでなく洗浄機の性能も含めて判断することが重要です。一般的に、洗浄剤単体で比較すると塩素系溶剤の方が高い洗浄力を持つとされていますが、洗浄機との組み合わせによっては炭化水素系の方が、すぐれた結果を得られる場合もあります。これは、洗浄工程の設計や溶剤の再生性能が影響するためです。同じ炭化水素系洗浄機でも、メーカーごとに性能差が出やすいポイントといえます。
そのため、導入前にはテスト用の洗浄機で実際のワークを用いた検証を行うことが大切です。
ランニングコスト
炭化水素系洗浄機の多くは蒸留再生装置を内蔵しており、洗浄剤を繰り返し使用できます。これにより、塩素系や臭素系の洗浄装置と比べて、ランニングコストを抑えられるケースが多い点が特徴です。ただし、コストは洗浄剤の性質にも左右されます。とくに、汚れに近い沸点の成分を含む洗浄剤は、蒸留再生時にロスが発生しやすくなります。結果として洗浄剤の消費量が増え、コスト増につながる可能性があります。
さらに、沸点の高い成分が多い洗浄剤は乾燥性にも影響を与えるため、仕上がり品質の観点からも注意が必要です。ランニングコストと性能のバランスを考慮し、適切な洗浄剤と機種を選ぶことが重要です。
参考元①:炭化水素洗浄システムの具体例
参考元②:炭化水素系洗浄の特徴
参考元③:洗浄システム構築の考え方
炭化水素系洗浄機が向くケース/向かないケース
炭化水素系洗浄機は、安全性やコスト面で優れた特徴を持つ一方で、すべての用途に適しているわけではありません。導入後のミスマッチを防ぐためにも、向いているケースと向かないケースをあらかじめ把握しておくことが大切です。炭化水素系洗浄機が向いているケース
炭化水素系洗浄機は、主に金属部品の脱脂洗浄に適しています。金属加工油やフラックス類と性質が近い洗浄液を使用するため、効率よく汚れを除去できる点が特徴です。プレス部品や切削部品など、油分をしっかり落としたい用途に向いています。とくに、袋穴や止まり穴の洗浄に強い点は大きなメリットです。従来の大気圧洗浄では、径の細い止まり穴や袋穴、細かなすき間を持つワークには洗浄液が浸透しにくく、十分に洗浄できないという課題がありました。一方、炭化水素系洗浄機の真空洗浄は、真空下と大気圧状態を往復させることで、微細なすき間のある洗浄を可能としています。
また、溶剤の蒸留再生が可能であることから、ランニングコストを抑えやすい点も魅力のひとつです。塩素系や臭素系溶剤からの代替として導入されるケースも多く、安全性や環境負荷の低減を重視する現場にも適しています。
炭化水素系洗浄機が向かないケース
一方で、強力な洗浄力が求められるケースでは、炭化水素系洗浄機が適さない場合があります。とくに、焼き付いた汚れや重度の油汚れなどは、塩素系溶剤の方が高い洗浄力を発揮することがあります。また、ゴムや樹脂製品の洗浄には注意が必要です。素材によっては膨潤や変質といった影響を受ける可能性があるため、事前に適合性を確認する必要があります。
なお、炭化水素系洗浄機で使われる洗浄液は、引火性物質で危険物として扱われます。そのため、洗浄機は防爆仕様にする必要があります。貯蔵・取扱数量によっては消防法の規制対象になる点には注意が必要です。
洗浄機を導入する際には、他の洗浄方式と比較しながら、自社の用途に合った最適な機種を選定することが大切です。
参考元①:炭化水素洗浄システムの具体例
参考元②:炭化水素系洗浄の特徴
参考元③:洗浄システム構築の考え方
炭化水素系洗浄機メーカー比較表
| イメージ | 引用元:https://www.actfive.co.jp/ | 引用元:https://www.cleanvy.co.jp/ | 引用元:https://aqua-c.com/ |
| 会社名 | アクトファイブ | クリンビー | アクア化学 |
| 特徴 | AI(Actfive Innovation)技術を洗浄に取り入れ、洗浄レベルを数値で管理できる | 3,400台以上の実績 | 油分濃度計や残留油分抽出溶剤も提供 |
| オーダーメイド | 顧客の洗浄対象に合わせた最適な1台を「オーダーメイド」で叶える | 特注システム・大型システムへの対応が可能 | 記載なし |
| アフターサービス | 定期点検、各種メンテナンス、残留油分測定などの定期的な洗浄分析、生産体制の変化による洗浄機の改造等 | メンテナンス、補修部品など | 記載なし |
| 詳細リンク | 詳しくはこちら | 詳しくはこちら | 詳しくはこちら |
| 公式サイト | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら | 公式サイトはこちら |
アクトファイブ

引用元:https://www.actfive.co.jp/
| 会社名 | アクトファイブ株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 京都府京都市伏見区横大路一本木40 |
| 電話番号 | 075-611-5538 |
| 製品情報 | 炭化水素系洗浄機 水系洗浄機 水系・炭化水素系、マルチ洗浄機 フープ洗浄機 インライン式洗浄機 真空蒸留再生器 など |
| オーダーメイド | 顧客の洗浄対象に合わせた最適な1台を「オーダーメイド」で叶える |
| アフターサービス | 定期点検、各種メンテナンス、残留油分測定などの定期的な洗浄分析、生産体制の変化による洗浄機の改造等 |
| 拠点 | 国内…京都府 海外…中国、タイ |
炭化水素系洗浄機メーカーとして支持されているアクトファイブは、30年以上にわたり、産業界の高度な洗浄ニーズに応える専門メーカーです。設計から製造、販売、そして導入後のアフターサポートまでを一貫して行う体制が特徴で、精密部品の品質管理が求められる現場でも信頼を獲得しています。
最先端技術で精密部品の品質を守る洗浄機メーカー
洗浄対象物の材質や形状、汚れの種類はもちろんのこと、使用環境や生産規模、コスト面まで考慮したうえで、最先端技術を駆使した洗浄プロセスを提案します。単なる設備導入ではなく、顧客ごとに最適な1台を実現できる提案力は、他社にはない大きな魅力です。低温再生技術で環境に優しい洗浄ソリューション
アクトファイブは「知能シリーズ」と呼ばれる環境負荷に配慮した技術を開発しています。シリーズのコンセプトは、10年先の洗浄品質を提供することです。多くの製造現場で洗浄不良の原因となる「脱脂不良」「外観シミ」「コンタミ残り」などを、機械側で判断・制御することで、一貫した品質管理を実現します。
炭化水素系洗浄剤の油分濃度を自動で計測する「AIS-ROM」や、粒子レベルでの洗浄を実現する「AI Clean LPC」、さらには乾燥プロセスを最適化する「AI Dry」など、複数の機能が連携して稼働します。また、知能シリーズはオプション仕様であり、既存の洗浄機にも後付け可能という柔軟性も魅力です。
クリンビー

引用元:https://www.cleanvy.co.jp/
| 会社名 | 株式会社クリンビー |
|---|---|
| 住所 | 長野県諏訪市四賀3011-3 |
| 電話番号 | 0266-52-6636 |
| 製品情報 | 炭化水素系洗浄機 水系洗浄機 フッ素系洗浄機 蒸留再生機 電解洗浄機 |
| オーダーメイド | 特注システム・大型システムへの対応が可能 |
| アフターサービス | メンテナンス、補修部品など |
| 拠点 | 国内…長野県、愛知県、大阪府、栃木県 海外…中国、タイ、インドネシア、メキシコ |
「人と地球にやさしい社会へ」を理念に掲げる洗浄機メーカー「クリンビー」は、炭化水素系洗浄技術をさらに深化させる会社です。経済効率と安全性を両立させた技術は、国内外で高く評価されています。
精密部品の品質保持に努める洗浄機器の専門メーカー
クリンビーの創業は1995年であり、ちょうどフロン全廃が始まり、業界が大きく転換点を迎えた時期でした。当時、多くの新興洗浄機メーカーが市場に参入しましたが、そのなかでクリンビーは「地球環境を守る」という理念により、幾多の競争を勝ち抜いてきました。その結果、精密部品の品質保持のための炭化水素系洗浄機メーカーとしてトップクラスの地位を獲得、現在では海外展開するグローバル企業へと成長しています。
省エネルギーと安全性を両立した炭化水素系洗浄機
クリンビーが高い評価を受けている理由のひとつに、省エネルギー性と安全性を兼ね備えた設計があります。主力製品であるCLEANVYは多槽式の炭化水素系洗浄機で、すぐれた洗浄力と乾燥性能、さらには低ランニングコストを実現しています。第1槽に脱気超音波と液外揺動、第2槽には真空超音波、そして第3槽で真空ベーパー洗浄を実施するという3段構えの構成で、溶剤の消費量を抑えながら、安定した仕上がりが得られるのが特徴です。
また、球面波タイプの超音波を採用することで、洗浄槽内全体に均一な音圧を届けられるため、細かな切粉や異物も効率よく除去でき、複雑な形状や止まり穴がある部品の洗浄にも効果を発揮します。
アクア化学

引用元:https://aqua-c.com/
| 会社名 | アクア化学株式会社 |
|---|---|
| 住所 | 大阪府和泉市テクノステージ3丁目7番24号 |
| 電話番号 | 0725-53-5510 |
| 製品情報 | 単槽式洗浄システム 多槽式炭化水素系洗浄システム 多槽式ハイブリッド洗浄システム 多槽式水系洗浄システム インライン洗浄システム |
| オーダーメイド | 記載なし |
| アフターサービス | 記載なし |
| 拠点 | 国内…大阪府 海外…タイ |
アクア化学は炭化水素系洗浄機の専門メーカーとして、長年にわたり精密部品・電子部品・自動車部品など幅広い業界の洗浄課題を解決してきた企業です。独自の洗浄ノウハウと装置設計技術を持ち、洗浄工程の最適化から消費エネルギーの削減、ラインの自動化、省スペース化まで総合的に提案できる点が特徴です。
また、自社で洗浄テストを行い、部品特性に合わせた最適条件を導き出すことができるため、単なる装置販売にとどまらず「洗浄工程の課題をトータルで解決してくれるメーカー」として高い評価を得ています。とくに品質要求の高い精密機器や医療分野では導入実績も多く、安定した洗浄品質を求める企業に選ばれているメーカーです。
高品質な炭化水素洗浄を実現する独自の洗浄技術
アクア化学の強みとしてまず挙げられるのが、炭化水素系溶剤の特性を最大限に活かした独自の洗浄技術です。炭化水素は環境負荷・作業安全性・洗浄力のバランスに優れていますが、効率よく使いこなすには洗浄装置側の技術が欠かせません。同社では「超音波洗浄」「真空乾燥」「多段洗浄」など複数の方式を組み合わせ、ワークの形状や材質に応じた最適プロセスを設計します。とくに複雑形状部品や微細孔を持つワークの脱脂や異物除去に強く、洗浄ムラを抑えて安定した品質を維持できるのが特徴です。
高い洗浄品質が要求される精密部品メーカーから支持されている理由のひとつです。
現場課題に合わせたカスタム対応力と自動化提案
アクア化学は、単なる既製品提供ではなく、現場の課題に合わせたカスタム対応が柔軟にできるメーカーです。ラインのスペースに合わせた装置サイズの最適化、既存設備との連携、処理能力の調整など、導入企業ごとにきめ細やかな設計が可能です。さらに、自動搬送システムやロボットとの連結による自動化も提案でき、省力化・品質安定・生産性向上に寄与します。近年は省エネルギー設計にも注力しており、溶剤回収の効率化や加熱工程の最適化など運用コストを抑える工夫も充実しています。
単なる洗浄装置の導入ではなく「洗浄工程の最適化」という視点でトータル提案を行ってくれる点が大きな強みです。
洗浄テスト・条件出し・導入後サポートまでトータル対応
炭化水素系洗浄では、ワークごとに最適な条件が異なるため「導入前の検証」が非常に重要です。アクア化学では自社のテスト設備で洗浄テストを実施し、洗浄力・乾燥性・作業性などを総合的に評価したうえで、最適なプロセスを企業とともに作り上げます。導入後も溶剤管理やメンテナンスの相談に応じ、安定稼働を支えるフォロー体制が整っている点も魅力です。洗浄条件の見直しやライン変更といった長期運用の課題にも対応可能で、継続的なパートナーとして信頼しやすいメーカーといえます。
【FAQ】よくある質問
- Q炭化水素系洗浄機メーカーの選び方A炭化水素系洗浄機メーカーを選ぶ際は、技術力・洗浄テストの内容・オーダーメイド対応力・担当者の知識を重視するべきです。とくに、洗浄対象物や汚れに合わせて実機テストを行い、数値に基づいた提案をしてくれるメーカーは信頼できます。また、特許技術や独自技術を持っているメーカーなら、より幅広い要望に対応しやすく、導入後の改良やサポートも期待できます。
- Q炭化水素系洗浄機が向くケース/向かないケースA炭化水素系洗浄機は、金属部品の油汚れや脱脂洗浄が必要なケースに向いています。精密部品や機械部品を傷めにくく、腐食リスクを抑えながら洗浄したい場合にも適しています。一方で、一部の樹脂やゴム素材には向きません。炭化水素系洗浄剤によって溶解や劣化が起こる可能性があるためです。また、引火性があるため、防爆対策や安全管理が十分にできない環境にも適していません。
- Q炭化水素系洗浄機とはどのような洗浄機ですか?A炭化水素系洗浄機は、炭化水素系洗浄剤を用いて、金属部品や機械部品に付着した油汚れや異物を効率よく除去する洗浄機です。洗浄力が高く、腐食リスクを抑えやすいため、精密部品や脱脂工程にも適しています。さらに、洗浄剤を再生して繰り返し使える機種であれば、コストや廃棄物の削減にもつながります。
- Q炭化水素系洗浄機を導入するメリットは何ですか?A炭化水素系洗浄機を導入するメリットは、洗浄品質の安定化と省人化を実現できることです。手作業では担当者ごとに仕上がりに差が出やすいですが、洗浄機を使えば一定条件で安定した洗浄ができます。さらに、作業効率が上がることで人手不足対策にもなり、現場の負担軽減や働きやすい環境づくりにも役立ちます。
- Q炭化水素系洗浄機を選ぶときは洗浄方法も確認すべきですか?Aはい、必ず確認するべきです。炭化水素系洗浄機にも、浸漬洗浄、超音波洗浄、噴流洗浄、真空洗浄などさまざまな方式があります。洗浄物の形状や汚れの種類によって最適な方法は異なるため、自社の製品や工程に合った洗浄方式を選ぶことが重要です。洗浄方法が合っていないと、十分な洗浄効果が得られず、導入後のミスマッチにつながります。


